TEEとは

TEE(Theological Education by Extension)とは

TEE とはTheological Education by Extension の略で、直訳すると「拡張神学教育」と訳せます。その主な意味は、従来のように神学校に生徒を集めて神学教育を施すのではなく、それぞれが住んでいる場所でそのまま神学教育を受けられる仕組みという意味です。日本では「TEE聖書講座」と呼びます。

TEEによる神学教育は、1963年に南米グアテマラの福音長老派神学校で始まりました。 当時、主を信じる人が急増する中、学生を神学校に集めて教えるには限界があったこと、地方では人的にも経済的にも現地を離れて神学校に通うことが困難な人々が多かったことなどに対応する必要がありました。

そこで「学生が神学校に来るのではなく、神学校が学生のところに行く」という理念を掲げ、講義に出席する代わりに、神学校から提供された教材(特に拡大神学教育用に書かれたもの)を学び、グループリーダー(導き手)と定期的にグループで学び、生活の中でみことばを実践する形の学びとなりました。このように、TEEは単なる通信教育や遠隔教育ではなく、学習が生活の中で文脈化されるようなプログラムとして整えられ、全国で用いられていきました。

また、その頃、南米チリの農村でSAMS(The South America Mission Society)の英国人宣教師、トニー・バラットによってSEAN(Study by Extension for All Nations)の働きがうぶ声を挙げました。小学校程度の教育しか受けていない田舎の人々のための神学教育を提供するために「豊かな人生」と「キリストの生涯」のテキストをまず作成しました。バラットはすでにグアテマラで始まっていたTEEと協力することに導かれ、教材をTEEに提供し、その現場で用いられながらより良い教材として整えられ、新たな教材も加えられていきました。

その結果、SEANの教材と共にTEEは、まずカリブ海諸国(ホンジュラス、西インド諸島)とラテンアメリカ(コロンビア、ボリビア、ブラジル)に広まっていきます。その後、北米、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、アフリカに広がっていきました。その過程で、教職者の養成だけではなく、信徒教育の必要性が高まり、広く信徒のためにも用いられていくようになっていきました。

そして世界中の教会やジョン・ストット博士などの神学者からも高い信頼と評価を得るに至っています。特にアジアでの普及は目覚ましく40カ国を超えており、世界では 現在100 カ国以上で数⼗万⼈が学んできました。

日本のTEEについて

最初の日本語訳の出版は2006年に韓国のTEEによって翻訳された「豊かな人生」(初級編)でした。韓国のTEE はやがて日本にTEEが設⽴されることを祈り願いながら「豊かな光」(初級編)等のさらなる翻訳を続けてきました。遂に2019年8月にTEE  JAPANが産声を上げました。

SEANのグラハム博士の呼びかけに①これまで日本語訳テキストを用いてきた韓国⼈牧師達のグループ、②「キリストの生涯」の翻訳に着手しはじめていた台湾の TEE グループ、③日本で最初にグループリーダートレーニングを受けた広島の牧師や信徒達のグループが東京に集まり、暫定的にTEE Japan が設⽴し、世話人会(代表 北野献慈(広島))が発足しました。

その後、初級編の「豊かな人生」、「豊かな光」や中級編の「キリストの⽣涯」の翻訳が進み、校正と並行して各クラスを実施しながら翻訳の精度をあげてきました。すでに東京、広島、沖縄等の教会で約200 名以上が受講しています。2023年、正式にTEE Japanとして法人を設立し、本格的に全国への普及を着手する計画です。

世界の中のTEE

TEE Japanをはじめ各国のTEEは、SEANが発行するテキスト(「キリストの生涯」「豊かな人生」「豊かな光」など)を主に用いて講座を行っていますが、そのSEANはイギリスの福音同盟のメンバーです。

またアジアでTEEを推進するINCREASEは、世界福音同盟(WEA)の認定機関であるアジア神学協会(ATA)やICETEとも緊密に連携して働きを進めています。

現在 TEE Japan が SEAN と翻訳及びコース実施の契約を結んでいるコース

(1) 初級編

「豊かな⼈⽣」(18課、教理および信仰⽣活⼊⾨) 翻訳最終校正中
「豊かな光」(聖書 66 巻の概観) 翻訳最終校正中

(2) 中級編

「キリストの⽣涯(6巻)」(マタイの福⾳書を中⼼とした学び)
「パウロの⼿紙と⽣涯(3巻)」(来年以降)
「モーセ五書(2巻)」 (来年以降)

(3) その他コース

・SEANの他のコースや他国の TEE コースを⽇本語で実施することができる。
・⽇本独⾃でコースを追加することが可能である 。
・「キリストの生涯」グループリーダーとして実施した場合は、それが今後ATA(アジア神学協議会)で実践神学の単位認定の可能性がある(申請中(TEEマレーシア))。
・将来、ATA(アジア神学協議会)認定のBTH、MDiv 認定のコースを追加創設が可能。

理事について(2023年2月現在)

代表:北野献慈(広島福音自由教会)
徐鎮(台北霊糧堂)
堀川寛(三滝グリーンチャペル)
正木牧人(神戸ルーテル神学校)
福吉克史(21世紀キリスト教会)

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